うん、そういうイメージは間違ってないよ。
そしてね、M&Aでは交渉力って言うことを考えておく必要があるんだ。
これって時の流れで変化したりするんだね。
ちょっとそれについてお話ししましょう。
目次
時系列でみた売り手・買い手の交渉力の関係(一般論)
売り手と買い手の間にはね、情報の非対称性と言うものがあるんだよ。
情報の非対称性?
そう。
こういうことさ。
売り手って自分の会社だから何でも自分のことを知っているよね。
そりゃそうだよねー。
しかし、書いてって最初は何も知らないじゃない。知っててもちょっとだけでしょう。
それが、情報の非対称性って言うことなんだよ。
そっかー。
けど、それだと売り手が強い感じがするんだけど。
うん。その通り。
ただね、この情報の非対称性と言うものはM&Aのプロセスが進むにつれて解消していくものなんだよ。なぜなら、徐々に売り手から買い手に情報がいろいろ提供されていくからなんだよ。
特にDDでいっぱい情報が買い手に提供されるからね。
なるほど。確かに情報が入手すればするほど、売り手と同じ目線に立てるってことね。
売り手・買い手間の情報の非対称性とその解消の流れ(一般論)
売り手・買い手の交渉力の関係において一般論から乖離する場合
ただ今の話は、一般的な話なんだね。
どういうこと?
次のような場合、時が経つにつれて情報の交渉力がのバランスが違った形で動いていくんだ。
売り手がM&Aプロセス当初より交渉力を維持できない場合
例えばこんな場合想定してごらん。
- 売り手に重要な健康上の問題が発生した
- 急に多額の借入の返済を求められることになった
- 足元の業績が急速に悪化したため、資金繰りが厳しくなった
どれもこれも、売り手にとってやばい状態じゃん。
そうだね。だからこういう時って、売却を迫られる時があるんだよ。
急かされているってことね。
それって買い手は売り手に対して上から目線で考えることが出来るような気がする…。
まさにその通り。
例えば買い手から「条件次第では買収してもいいけどなぁ。」っていうような感じで言われて、悪い条件でも泣く泣く売却しなきゃいけないケースがあったりするんだ。
売り手がM&Aプロセス終盤でも交渉力を維持できる場合
うーん、簡単な話だと思うけど、対象会社が人気だと売り手は強いよねえ?
おっしゃる通り。
もし売りたいって言うと、いろんな人たちが買いたい!買いたい!って手を挙げてくることが想定できるね。
かわい子ちゃんと一緒だよ。
いろんな男子が群がるわけだね。
あはは、そういう状況だと売り手はタカビーに対応できるってことね。
買い手の分析・評価が不十分なためM&Aプロセスの終盤であっても交渉力が弱い場合
あと、こういうケースもあるんだよ。
買い手って対象会社を分析したり評価するじゃないですか。
DDなんて典型的だよね。
しかしね、買い手がいまいちだと、きちんと分析が評価できないケースもあったりするわけだよ。
格好悪いね(笑)
それってさっき言ってた、情報のなんちゃらとかっていうのが解消されないって言うことじゃないの。?
そうなんだよ。
情報の非対称性が最後まで解消されないから、M&Aプロセスの終盤になっても交渉力が強くないんだね。
買い手の交渉力が強化される一方でM&Aへの関心を喪失するケース
さらに違うケースについて話をしてみようか。
一般的な話をすると、当然だけども買い手は最初はM&Aに積極的。買いたい、買いたいって思うからM&Aのプロセスに入るわけでしょう。
けどね、M&Aプロセスが進むにつれて、逆に「やっぱやめとこかなー」と言うようなスタンスに変わることもあるんだよ。
まぁ恋愛でも一緒だよね。
付き合ったら相手の嫌なところが見えてきて、すぐ別れること、よくあるじゃん。
そうそう、まさにそれ。
M&Aも同じように、例えばDDでいろいろ問題を発見すると、だんだんネガティブな感情が湧いてくるってことですよ。
こうなると売り手って弱いよね。
まとめ
このように時の経過であったり、その時その時の状況で交渉力って変わってくるんだよ。
だからいつも足元どんな状況なのかっていうことを確認しながら進めていく必要があるんだ。
中小M&Aは友好的なものだって言っても、ビジネスであることは変わんないからね。
確かに!
やっぱドラマで観てた感じと同じじゃん!
あはは、確かにそうだね(笑)
なんかM&Aって交渉してるって言うイメージがあるんだよねー。
ドラマの影響かなぁ。