事業譲渡の全体プロセスの概要
今回は事業譲渡の全体プロセスの概要についてお話をしたいと思います。
これは下のテキストと図を見てもらった方が早いでしょう。
- 事業譲渡の全体プロセスの一連の流れ
- 売り手と買い手のマッチング
- 当事者間で秘密保持契約の締結
- 初期的情報の開示・初期的交渉
- 基本合意(当事者の希望条件がおおよそ一致した時点で)
- 買い手によるデューディリジェンス
- 最終交渉と事業譲渡契約書の締結
- クロージング(事業に付随する財産の承継と対価の授受)
ご覧いただければわかるとおり、事業譲渡の大まかな流れは、他のM&Aと大きく変わるものではありません。
ただ、事業譲渡特有の手続や作業がいくつかあります。
それらは図中に赤枠で記載しているとおりですが、大きく4点あります。
- カーブアウト財務諸表の作成
- 事業譲渡案件に即した形でのバリュエーション(会社ではなく事業の価値を評価する)
- 株主保護のための諸手続の実行
- 事業の引継のための諸手続の実行
これらのポイントは、それぞれ解説が長くなるので、別途個別に解説したいと思います。
ここでは、事業譲渡契約書の概要について触れておきたいと思います。
事業譲渡契約書の概要
事業譲渡契約書において、売り手と買い手は、およそ下記項目について合意することになります。
- 事業譲渡契約の目的
- 譲渡の対象・譲渡財産などに関する事項
- 譲渡価額および支払方法に関する事項
- 譲渡日時・移転日時に関する事項
- 移転手続に関する事項(期日や費用負担など)
- 公租公課に関する事項
- 従業員や取引先の引継に関する事項
- 競業避止義務に関する事項(期間など)
- 契約解除・事情変更等に関する事項 など
このうち、相対的に重要なのは②、③、⑤、⑦、⑧あたりでしょうか。
ちなみに、ネットで「事業譲渡契約書」とググってみると、いくつか雛形を無料で入手することができますので、大体のイメージはそれで確認することができます。
ただ、実務でそのまま使うのはやめておいてくださいね。
M&Aという取引は個別性が強いので、契約書はきちんと作りこむ必要がありますので。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
今回はさらっと流した内容で申し訳ございません。
繰り返しになりますが、事業譲渡特有のポイント4つ(「カーブアウト財務諸表の作成」、「事業譲渡案件に即した形でのバリュエーション」、「株主保護のための諸手続の実行」、「事業の引継のための諸手続の実行」)は、それぞれ重要なので別途解説させてください。
すぐに記事を用意しますので、ちょっとだけお待ちくださいね_φ(・_・