こんにちは。
最近よく聞かれることがあるんですね。
なんて事はないです。
「うちもM&A考えてるんだけれども、こんな状況でやったらまずいですかね?」
「それは経営判断の話だから、何とも言いようがないですね。」
、、、というような事は簡単ですが、それじゃぁプロとしてダメですよね。
だから、いくつかの判断基準をここでご案内したいと思います。
ただ誤解しないでくださいね。
これに沿ってやれば必ずM&Aが成功するわけじゃないってこと。
予防線を張って申し訳ございません(笑)
さて、ここでは3つポイントを挙げてみたいと思います。
- 多角化戦略のためのM&Aかどうか(買い手の話)
- 今、絶対に売却しなければいけない理由はあるのか(売り手の話)
- 業界がアフターコロナでゲームチェンジが起ころうとしているのか(売り手・買い手双方の話)
目次
多角化戦略のためのM&Aかどうか(買い手の話)
コロナ問題のせいで、いろいろな業界において、根本からビジネスのあり方を見直さなきゃいけないということが言われています。
そもそも中小企業というのは、大企業と比べて、事業リスクが高いと考えられています。
例えば、1本足打法、すなわち1種類の事業しか行っていない場合は、その業界が落ち込んだり、会社の事業が厳しくなると途端に”赤ランプが点灯”します。
平時でおいてもそうなので、この有事においてはなおさらそうです。
今回のこの問題で有事の時に単一事業のリスクが大きいことが分かった経営者も少なくないのではないでしょうか。
だから、もしあなたの会社が単一事業のみを行っていて、まだ資金に余裕があるのであれば、このような有事に備えて、事業多角化を開始するのはアリだと思います。
この混乱のカオスの状況の中では、売却を急いでいるために安価で買収できるような掘り出し物があるかもしれません。
また、後で述べますが、ゲームチェンジが起こっているこそからこそ千載一遇のチャンスかもしれないからです。
けれども、少し先も読めない環境なので色々と不安があると思います。
そこの折衷案として、スモールM&Aでとっかかりをつかむところからスタートすればいいと思うんですね。
そうするとアフターコロナという生態系がある程度固まった段階で、すでに他社に先駆けてスタートを切っているという状況になっている可能性があります。
今、絶対に売却しなければいけない理由はあるのか(売り手の話)
今M&Aを進めていかなければならない、具体的な理由が何かあるのでしょうか?
ひょっとしたら、こういう理由があるかもしれません。
もう資金が底をつきそうなので、潔く足を洗って、誰か資金に余裕のある人にでも会社を引き継いでもらいたい
今回の一騒動で、経営していくやる気と自信をなくしてしまった(けど、従業員とか借金とか考えると自分勝手に廃業なんてできない)
そういう状況なら、迷わずM&Aを進めるべきでしょう。
といいますか、迷っている暇はないですよね。
この場合に1番重要なのがスピードです。
ではどうしたらM&Aを少しでも早く完了させることができるかということをがカギになります。
この場合の選択肢は、リアルでM&A専門家の支援を受けるのではなく、マッチングサイト一本槍で良いのではないでしょうか。
そして、複数のサイトに登録してもいいと思います。
複数のサイトに登録するのは、出回り案件とか、売り急いでいるとか、情報漏洩リスクとかを気にする必要がありますが。
だけども、選択肢は限られているからしょうがないかもしれません。
リアルで相手を探したら時間がかかりますし、ネットの拡散性を考えると、単独のサイトに登録するよりもやはり複数のサイトに登録した方が、買い手の目に止まる可能性が高くなります。
あと、出回り案件とか、売り急いでいるとか、そういうふうに思われるかもしれないという懸念ですが、すでに売り案件として登録しているものとの違いは外から分かりづらいんじゃないかなとも思ったりします。
外から見たら売り案件は売り案件。
どれが無茶苦茶焦っているかどうかという心の中まではわかりません。
普通、案件情報には譲渡理由という欄がありますが、経営戦略の変更、とか、事業承継のためとか、当たり障りのない理由が書かれています(実際そーゆー背景である事は多いでしょうが、ぶっちゃけ本音のところは違うかもしれません)。
これから売り案件として登録する場合に「いやー、コロナの問題でとっとと売らないとまずいんですよ」というようなことをバカ正直に書く人はいないと思います(苦笑)
ちょっといやらしいこと言って申し訳ないですが、実際そうですよね。
後ろめたい本音があったとしても、副次的の目的というものがあるでしょうから、それを理由に登録したらいいと思います。
決して嘘をついているわけじゃないですから。
業界がアフターコロナでゲームチェンジが起ころうとしているのか(売り手・買い手双方の話)
ちなみに、この場合のM&Aは同一業界内という前提で考えてください。
この観点に関していうと、売り手と買い手両方の視点があると思います。
売り手の視点
まずは売り手の場合。
仮にアフターコロナでゲームチェンジが起こった場合、それについていく自信がないなら、なるべく早く売却した方が得策かと思います。
ゲームチェンジが起こってからでは買い叩かれる可能性がありますからね。
上記と逆にゲームチェンジに対応する自信がある経営者は、売り急ぐ必要はないと思います。
ゲームチェンジ後の経営を軌道に乗ったかどうかぐらいのタイミングで売却にトライする方が、将来の成長可能性を強く期待する買い手が手を上げて、いい条件で売却できる可能性があります。
買い手の視点
一方買い手のほうはこんな感じかなという気がします。
ゲームチェンジについていく自信がない経営者は、まだ余力のあるうちに逆に売り手のほうに回ったほうがいいと思います。
その方がステークホルダーを保護することにつながると思いますので。
逆にゲームチェンジに自信がある経営者は、しっかりとアンテナを立てて、いい会社があればなるべく速やかに買収したほうがいいと思います。
ゲームチェンジを追い風にできると信じる買収者は、自社の事業に加えて買収した事業を加えることができるので、事業成長を加速させることができます。
そして、同じようにゲームチェンジをテコに事業を拡大しようとする同業他社を一歩先んじることができるので、そう言った企業を上回る速さで拡大路線を突っ走ることができるでしょう。
ちなみに、ゲームチェンジが起こるということは、買収対象とする会社や買収によって得られるシナジーが全然変わってくる可能性があるので、その辺りは慎重に進める必要があります。
これについては別のところでお話しします。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
これまで話しておいておいて無責任と思われるかもしれませんが、何が正しいかどうかは、神様のみが知っていると言うことかもしれません。
実際、ネットでググってみると、「M&Aを積極的に行うべきだ」という意見と「M&Aは今は控えた方が良い」という意見に分かれています。
前者の方は、商売目線があるので、僕みたいなM&A専門家の方が多いですね(笑)
しかしながら、いずれにしろ、これも経営判断の一つ。
事業を行う上で必要となる様々な意思決定と同じで、経営者が自分で決めなければいけないことです。
ただ自社に与えるインパクトが大きいという違いはありますが
だから、この投稿やネットで出ているような様々な意見を参考にしたり、各種情報を分析するなどして、今は冷静にとどまっておくべきか、あるいは大胆に行動に起こすべきかということを念頭に判断いただければいいかなと思います。
手前味噌ですが、そういう時に、経営戦略の立案・実行に長けたM&A専門家のサポートを受けるとより理路整然と検討を進めることができると思います。
いずれにせよ、M&Aが1つの手段として使われて日本経済全体の復興が加速すればいいなと強く思います!
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