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中小企業経営者が感じている共通項
これまで、成功(注)を収めている中小企業の経営者の方々から、日本経済の今昔、そして将来について、いろいろお話を伺う機会がありました。
そして、それらの話において、以下に示すようにいくつかの共通項がありました。
- 想像している以上に日本の国力は衰えている
- セオリーを信じるものは救われない
- “失われたXX年”はこのままではいつまで経っても終わらない
そしてこれらは、私自身が前職で経営戦略を立案・実行してきた際に体感したことと一緒でした。
これらの共通項は、成功を収めている経営者からのインプットや私自身の経験などから導き出されたものですので、決して座学や机上の論理によるものではありません。
そこでまずは、これらの共通項について簡潔に解説し、その後に、これからこのブログにおいて「中小企業の経営戦略」というお題目でどのようなメッセージをお伝えしていくかについて話したいと思います。
(注) 「成功」の意味は主観的なものであり、さまざまな定義付けが可能ですが、ここでは「業績を大幅に向上や改善させ、結果として経済的な富を獲得したこと」を指すものとします(「経営者」の成功の一般的なイメージ)
想像している以上に日本の国力は衰えている
日本は完全に没落国なのです。公表される統計値よりも実感を大切にした方がよいと思います。
特にアジア主要国の攻勢はとどまるところがありません。
さて、誰が一番打撃を受けるのでしょうか?
ご想像の通り、中小企業です。
日本は中小企業国家なのです。
「日本は凄い国」「日本は素晴らしい」といったテレビ番組を見かける方も多いでしょう。
確かにそういった面は今でもさまざま存在するでしょう(実際私も日本をこよなく愛しています)。
しかし、それで思考停止になって惑わされてはいけません。
自ら多面的に、できれば生の情報を取りに行ったほうがよいと思います。
我々はみっともない無駄なプライドを脱ぎ捨てないといけない時期に直面しているのです。
セオリーを信じるものは救われない
セオリーは所詮過去から導き出されたひとつのモノの捉え方・考え方です。
机上の理論にしか受け止められない場合もあります。
一方、経営はナマモノです。
セオリーは特段勝てることを保証してくれるものではありません。
また、たとえ勝てるセオリーが存在したとしても、猫も杓子も追随するので「差別化」にはつながりません。
私は2年近く前まで、グローバル大手企業の経営企画部門にいました。
実務をこなしながら、企業戦略に関する文献を読み漁る毎日を過ごしていたのですが、そこで衝撃的な事実に直面したのです。
企業戦略について書かれた既存の文献は役に立たないことが多い
全社戦略だろうが事業戦略だろうか、その結論は何も変わりません。
10年ひと昔と考えて、その頃に出版された書籍を今読み返してみると、途中で読むのが辛くなったり、目次を眺めた時点で使えないとわかるものが散見されます。
これは簡単にいうと、時代の潮流が想像以上のスピードで変化したからです。
ITテクノロジーの急速な進歩、GAFA一強時代の突入、グローバルで見た各国間のパワーバランスの変化、等々。
そこで、最新の戦略論を実務に当てはめようとしました。
結果は…ほとんどうまくいきませんでした。
これは何故でしょうか。
どこにどのような問題があるのでしょう。
使い方が悪いのか、単なる自らの本源的な実力不足のせいなのか、それとも、戦略論自体が間違っているのではないか…。
嫌が応にも「反芻思考」(注)に陥らざるを得ませんでした。
(注)ネガティヴな記憶やマイナスなことを繰り返し考えてしまうこと
“失われたXX年”はこのままではいつまで経っても終わらない
皆さん、失われたXX年という言葉を聞いたことがあるでしょう。
しかし、こう思ったことはないですか?
「失われたXX年っていつまで続くの?」と。
そして、大体このような問いをした時には、次のような回答が返ってきます。
「急速にデジタル化が進むなど環境が大きく変わってしまい、ついていけないんだよ」
「中韓などのアジア諸国がどんどん強くなり、相対的に日本が弱くなったんだよ」
「人口が減少し続けて、内需に頼れなくなってきているんだよ」
全て正解でしょう。
でも、これからどうすればよいのか、解決方法について誰も何も答えていません・・・
中小企業が成功を収めるには「逆説的に」モノゴトを考える必要がある
以上を踏まえると、私はこれまでのやり方を踏襲していると日本はさらに“没落”してしまうと強く感じるようになったのです。
そこで、次のような仮説を信じるようになってきました。
「常識」とはいつの時代も壊されるために存在しています。
そして、壊して築かれたものが、新たな常識になります。
経営者目線でいうと、後に「常識」と呼ばれるものを先に築き、「先行者利益を取りましょう」という話です。
だから、このブログにおいてこれから「誤解を恐れず、色々と斬新なソリューションを提案する」というチャレンジを試みたいと思います。
可能な限り「当たり前」や「ありきたり」のことについて解説することはしません。
そのようなことを書いたとしても、代わりに巷に溢れる本を読んだり、他のネット媒体で学んだりすればよいだけで、何も付加価値を生み出しませんので。
仮説検証プロセスについて
ちなみに、仮説というものは検証しなければ意味がありません。
これは仮説検証プロセスといい、簡単に言えば、立てた仮説を実践に取り入れ、その結果を振り返って、またトライ(仮説の修正)するという繰り返しのプロセスです。
このプロセスを通じて、ロジックがさらに洗練され、昇華され、令和時代の新しい常識につながる可能性が高まります。
これがなければ、立てた仮説は、”単なる思い込み”で終わってしまいます。
だから、中小企業を経営している私自身にとっても、ここでお示しする仮説は大きな問いでもあるのです。
まとめ
さて、次回から私が提案していく様々な仮説は、皆さんにとって果たしてダイアモンドの原石に見えるでしょうか?
それとも、ただの石ころにしか見えないでしょうか?
ご覧いただいた皆さんが共感するか、納得するか、全くわかりません。
読み手によっても反応が大きく異なるでしょう。
当然ながら私の気持ちとしては、皆さんが腹落ちしてダイアモンドの原石と受け取ってもらえるような仮説をお示ししていくつもりです。
ですので、次回からお伝えする内容から一定の学びを感じとってもらい、実践に取り入れてリアルな成果に結びつけばいいなと思っています。
では、お楽しみに!
中小企業の場合、経営戦略の基本ロジックを逆説的に捉えた方が実は成功する場合が多いのではないだろうか